The role of the union
吉野製箸工業協同組合の役割
吉野製箸工業協同組合は、吉野割り箸の伝統と技術を守るために組織された組合です。
現在、日本国内で使われる割り箸の97%は、輸入で賄われ、残り3%の国産割り箸のうち約半数は奈良県で生産されています。
その多くは、吉野が担い、特に吉野町国栖地区には、割り箸の生産者が集まっています。
吉野割箸の継承
五百年近い植林の歴史がすぐれた林業の技術を生み吉野杉、吉野桧の名は全国に知られています。
その吉野の杉や桧で作られた箸もまた『吉野割箸』として広く世に知られており、吉野割箸は、割箸の名門であると自負しております。
明治の初め頃、吉野杉材で作る樽の材料の端材が捨てられるのを惜しんで、割箸が考案されました。
丁六わりばし、小判型わりばしから始まり、箸の真ん中に溝をつけた元禄小判。両口が細くなった利久型。大正に入ると天削げ型わりばしが考案されました。いずれも吉野杉の柾目や板目が生かされています。
昭和に入り機械化が進むと桧材のわりばしも製造され、桧の元禄箸、天削げ箸、丸箸等多くの種類が量産されるようになります。
日本人の食文化の発展とともに吉野割箸も新しい形を求められ、現在では様々な技法を駆使した箸が作られています。こうした割箸の文化と製造技術を残し、後世に伝承する役割を吉野製箸工業協同組合は、担っています。
ホームページ開設に伴うご挨拶
この度、吉野製箸工業協同組合がホームページを開設するにあたり一言ご挨拶申し上げます。
日頃は当組合及び組合員に対し、温かいご支援をいただいて居りますこと厚く御礼申し上げます。
箸のルーツは東洋西洋の食文化に依るところが多く、東洋では主として農耕民族による物をつまんで食べる習慣から「箸」、また西洋では主として狩猟民族の切って刺す「ナイフ・フォーク」という食文化が発祥と言われております。
特に東洋の日本におきましては、豊富な森林資源に恵まれ、近年までは国産材(杉・檜)による割り箸作りが主流であり、特に日本特有の木造建築が盛んな時代においては柱角材、造作材等々製材された端材も豊富に確保されておりましたが、近年の著しい西洋文化の流入に、衣食住の西洋化の元、特に住宅の洋風化に伴う木造建築の大幅な減少、同時に製材製品減少と、箸製造端材入手困難、少子化による後継者不足、高齢化による労働力の低下等々、難問題が山積致しております。
この様な中、組合、組合員は、組合組合員に関わらず、各個の特徴を公開し、問屋様、小売様、一般ユーザー様に評価して頂きたく、ホームページを開設致すことになりました。
宜しくお願い致します。
吉野製箸工業協同組合 50年の歩み抜粋
- 昭和45年8月
- 設立・場所(吉野町上市81吉野町役場別館) 【設立組合員101名】
- 昭和47年3月
- 事務所移転・吉野町新子460-3
- 昭和60年10月
- 事務所移転・吉野町国栖100 【組合員116名】
昭和50年代にはコンピューターの導入で機械化が進み量産体制に入る - 平成2年5月
- 圧力釜導入 【組合員123名】
- 平成4年~5年
- 販売開拓事業に取り組む
- 平成7年1月
- 阪神大震災救援物資割り箸支援
- 平成7年4月
- 活路開拓事業実施
- 平成 8年9月
- 全国割箸サミット開催(於吉野山)
- 平成 9年1月
- 割箸白書作成・配布 【組合員81名】
- 平成10年12月
- 輸入関税撤廃阻止嘆願書提出(通産省・農林省)
- 平成12年1月
- 輪島市の『ノー割り箸運動』へ抗議
- 平成12年4月
- 王子製紙の割箸回収リサイクル活動に参加(向井氏の研修会等開催)
- 平成12年8月
- 米子王子製紙の割箸サミットに招待される
- 平成12年10月
- 輪島市と友好交流
- 平成12年7月~
- 各方面に割り箸PR(神戸・大阪九条・鶴見・吉野山)
- 平成12年12月
- 組合ホームページ開設
- 平成14年3月
- 森林・林業と環境について取り組む
- 平成16年2月
- 奈良女子大・佐保短大・奈良県立大の環境フォーラムに参加
- 平成16年12月
- 間伐材マーク取得(吉野森林組合推薦による)
- 平成17年度より
- 奈良女子大・奈良県立大の食堂で割箸使用開始
- 平成17年12月
- 京都大学卒業記念箸制作(平成18・19・20年合計1万膳)・学生生協へ納品
- 平成19年
- 「吉野割箸」地域商標ブランド出願・・・吉野町商工会協力
- 平成20年10月
- 無印良品計画・コメリ等と新たな取引開始 【組合員45名】
- 平成21年
- 木づかいマーク取得
- 平成21年4月
- 吉野町商工会青年部の活動として町内学校給食への割箸納品
- 平成23年1月
- 東日本大震災救援物資箸と義援金支援
- 平成24年11月
- 近畿大学・桃山学院大学等交流
- 平成25年6月
- 吉野町商工会の法人会員加入
- 令和元年5月
- 創立50周年通常総会開催 【組合員31名】
吉野製箸工業協同組合組織
理事長1名
理 事6名(各地区選出)
事務局2名(副資材の販売、各事業所の税務指導を顧問税理士と行う)
代議員8名(各地区選出)
監 事2名
(任期2年)